コウの頻尿は、はっきり「いつから」と言えるきっかけがありました。
中学1年生の冬休み、妹のアサキとバスに乗っている時に
「トイレに行きたい」と訴えて2人でバスを途中下車して、コンビ二のトイレを借りた
ということがありました。
バスは1時間に1本しかないので、その場所まで私が車で迎えに行きました。
そこからわずか2㎞の道のり、
いつもはほとんど声を出さないコウが
車内で「うわぁぁぁあっ!」と
大きな声をあげて、トイレに行きたいと懇願するのです。
途中2か所で止まって、コンビニに駆け込み、
なだめながらようやく帰宅できました。
かなりの切迫感があったようでした。
もともと頻尿の傾向はあったのですが
この出来事以降、外出先でトイレがさらに頻回になりました。
数分しか経っていないので、トイレに行っても全然出ないでしょ
と思うのですが、本人は「出る」「出た」と言うのです。
血尿・排尿時痛・残尿感はなく、家にいる時のトイレはそれほど頻回ではありません。
夜間は一度も起きません。
明らかに膀胱炎ではなく、「心因性の頻尿」であって、
チックのようなものの一種でしょうと判断して、
指摘したり治そうと努めないことにしました。
その旨は、学校やデイサービスの連絡帳に書き、共通理解を求めました。
デイサービスの野外活動は、迷惑になっても…と思って、
しばらく参加しないことにしました。
しかし、こんなに頻尿では、学校行事にも影響がありそうです。
私の「月経用ナプキン中サイズ」を使ってみる?と提案すると、
何の抵抗も示さずに使い始めました。
オムツではないし、トイレでもうまくごまかすことは可能なようでした。
スキー学習や校外学習、宿泊学習など、
トイレに自由に行けない時間が長くなりそうだと予測して、
自分から「ナプキン出しといて」と言うようになりました。
ナプキンは、汚れていることは全くありません。
心の問題の頻尿なので、「万が一」に備えた安心のおまじないとして、とても有効でした。
この対策を発達障害外来の主治医に言うと、
「お母さんうまい方法を考えましたね」と褒めてくれました。
コロナ禍で外出が少ない期間を経て、少しずつ自信をつけてきたようで、
最近は外出先2時間程度の滞在なら
一度もトイレに行かないで過ごせていることに気づきました。
でもこの「回復傾向」も、私から指摘はしないで見守っています。