中学校時代

特別支援高校併設のカフェ

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コウは、私がちょっと勧めたいような気がした寄宿舎のあるB特別支援高校ではなく、
中学1年生からの初志貫徹で、第一志望をA特別支援高校と決めました。

A高校は、カフェを運営しています。
カフェで出すお料理作り、野菜栽培、接客、掃除、広告作りも生徒たちが担っているそうです。

そのカフェが、これまではコロナ禍で閉店もしくは縮小していたと思うのですが、
最近、再稼働しているとのことで、まずは私一人で行って来ました。
週に2~3回、ランチの時間だけの開店です。

数回行った学校見学では、在校生はとてもしっかりしていて、
療育手帳を持っている子に見えませんでした。

ところが、このたび出会ったカフェで接客している生徒たちは、
オーダーを取りに来るのも時間がかかり、とてもたどたどしく、つっかえつっかえ。
注文内容の復唱にも時間がかかり、
先生か先輩か?が、付き添っている生徒さんもいました。
訊いてみると「高校1年生」とのことでした。

私は接客生徒さんに案内され、窓に面した「ぼっち席」に着きました。
なかなかオーダーを取りに来ないので
アクリル板で仕切られた隣の「ぼっち席」でパスタを食べているおばあさんに
「ここにいたら注文を聞きに来てくれるんでしょうか?自分で食券を買いに行くんでしょうか?」と聞いてみると
「ここで待っていたら来てくれますよ。時間がかかるのだけどね」とのことでした。
「私は近所に住んでいて、ワンコインで良い食材のお昼を食べられて、とっても助かってるんですよ」と、どうやら常連さんのようで、気さくに話しかけてくれました。
私が「実は中学3年生の息子が、この学校を受験したいと言っているんです」と言うと
「まぁ、そうなんですか。とても素直で良い生徒さんのいる学校ですよ。…どんな子にも、その子にしかない良さがあるものですよ」と、
語らずとも障害を持った息子の母親であることを察知した言葉を選んでくれました。

奥の調理場から「パンが焼けました」と、トレーいっぱいのパンが、調理衣姿の生徒さんによって運ばれ、何種類も店頭に並べられました。
隣のおばあさんは「あっ!タイミングいい!ここのパン、美味しいんですよ。買わなくちゃ!」と席を立ち、走って行きました。
私も後をついて行ったところ、すでに長い列ができていて、あっという間に売れてしまいました。
私もどうにかあんぱんとクリームパンとチョコチップパンを買いました。

会計のレジ打ちも、先生か先輩に教えられながら、なかなかに時間がかかっていました。
でも近所の常連さんたちは、静かに気長に待っています。

これなら、コウも挑戦できるかもしれない!と思いました。
こんなふうに温かく見守られながら「働くということ」を学んでいくんだなぁと思うと、涙が出ました。
これは家庭で教えられることではありません。

私は「小松菜のカルボナーラ」を注文しました。
小松菜は高校生が栽培しているとのこと。
無農薬・無添加で(無添加という言葉に弱い)、大事に清潔に作られたお料理、とても美味しかったです。

買ったパンは、翌朝の朝食として家族で食べました。

ABOUT ME
ホタル
発達障害児【特別な支援を要する男の子】のママ。フルタイム勤務のシングルマザーです。