コウの高校の保護者向け研修で、
「グループホーム」の施設長とスタッフが講演をしてくれる機会がありました。
グループホームは、現在、世の中に次々と創設されている印象です。
認知症対象、精神障害者対象、発達障害者対象など、入居者の特性別ということで、
職員も対応に慣れており、支援すべき事柄をわかっているというのは、心強いことです。
発達障害者対象のグループホームでは、生活リズム、金銭管理、食事、掃除などをサポートしてくれるそうです。
住居のタイプは、「ドミトリータイプ」といって、ペンションや寮のように個室があり、浴室やトイレや食卓は入居者共同という様式、
「単身タイプ」というアパートの一室で浴室やトイレも付いている様式があるそうです。
障害年金がもらえるとしたら、その開始の20歳のタイミングが、入居に適しているとのことでした。
私はかつて、障害者が入る施設には虐待や搾取が横行しているというイメージを持っていました。
私は現在、クリニックナースをしています。
業務の中に「企業の健康診断」があります。
福祉関係の事業所の職員も来ます。
健診の検査や計測の合間に、
「精神障害の方も、昔は何十年も長期入院していたけれど、
今は地域に暮らせるようになったのは、グループホームがたくさんできたおかげですね。
サポートがあれば地域に暮らすことができるのですよね。
少しずつ良い世の中になっているのですね。大事なお仕事ですね」
などと会話しています。
そして「精神障害の人は、たまにはかわいくない事を言うこともあるでしょう?大変ですね」
と、ちょっとカマをかけることもあります。
しかし福祉スタッフの方はほとんどもれなく「まぁそうですね。でもみんな元来、真面目な人たちですよ。自室に引きこもることがないように支援したいです」という反応です。
一見の看護師相手にストレス発散させることもなく、全く悪口や愚痴を言わないのです。
放課後等デイサービスのスタッフが来た時には
実は我が子が他の放課後等デイサービスに長年お世話になっているということはおくびにも出さずに
「口うるさい親もいて大変じゃないですか?」と訊いたりしても
「いるにはいますが、ほんの少数派ですよ」という返事です。
認知症の高齢者が利用するデイサービスのスタッフも、
「他者に対して攻撃的な認知症の方だと、対応に苦労することはないですか?」と訊くと
「だいたいの高齢者は、支援者に感謝してくれますよ」と言います。
真摯に障害者に向き合ってくれているスタッフがいかに多いことか。
それぞれ激務でしょうに、本当に頭の下がる思いです。
障害のある入居者・利用者を虐待するニュースがあると、障害児の親としてはやはり深く心を痛めるのですが、
おおむねの職員の方々は、障害児・障害者をサポートしようという温かい気持ちで迎え入れてくれているのだと、確信を深めています。
私はコウとアサキに幼少の頃から「将来は就職して数年したら、家から出て一人暮らしを経験するように」と言ってきました。
コウの「一人暮らし」は「親から離れて暮らす」という意味で、
グループホームも十分に「ひとり暮らし」の要件を満たしていると思います。