中学校時代

発達障害児の高校選びの視点・・・教育相談の日々

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中学3年生の高校選択です。
コウが第1子のため、「高校を選ぶ」ということについては、
ついつい昭和生まれの自分の時のことを思い出しながら…になってしまいます。
普通児の高校選びは、特別にスポーツができるという技能でもない限りは、単純に「学力順」であるように思います。

コウは、中学1年の時に見学した、新設の市立のA特別支援高校に一目惚れして、
一貫して「A高校が第1志望」と言い続けて来ました。
でも、人気校でちょっと難関なのかなと思い、不合格だった時に備えて「教育相談」を4校申し込みました。

特別支援学校の「教育相談」とは、
受験する前の夏から秋にかけて、本人と保護者と中学校の先生が高校に行って、校内を見学したり、
高校の先生と個人面談して、子どもの特性を伝えたり、という準備のことです。
受験するのは1校だけですが、もし不合格だった時には、定員割れの学校の2次募集に賭けるわけです。
教育相談をしておかないと、この「2次募集」に申し込めないそうです。

現在4校中2校の教育相談が終わりました。
コロナ禍のため、B高校は実際に行けて、C高校は中学校でZOOMで実施でした。

コウは、口数が少なく活舌が悪く、その上マスクなので
「質問はありますか?」と聞かれての返答が「ありません」と言っているのですが
語尾があまりに不明瞭で「あります」に聞こえ、ZOOMでは意思疎通に苦労しました。

さて、普通児の高校選びが(おそらく)学力順なのに対して、
特別支援学級の生徒の高校選びの視点は「職業科でやりたい科があるかどうか」「学校の雰囲気」「通学しやすさ」でしょうか。

私は、わずか15歳で「やりたい職業の科」を選ぶなんて、難しいのではないかと思い、
特別支援高校では数少ない「普通科」がいいのではないかと考えていました。
ところが、普通科のあるC高校の動画は「プレゼンテーションのための発表資料をグループで作る」場面の映像で、
私が観ても、さっぱり面白さが伝わって来ませんでした。
ましてや内向的なコウが発表とかグループワークに魅力を感じたとは思えませんでした。
それよりはずっと職業科の「モノ作り」の科の方が、
向かうゴールが明確で、何かが出来上がった喜びが大きい様子がわかりやすいと感じました。

B高校の先生が「クリーニング科を選んでも、将来クリーニング店で働くとは限りません。窯業科を選んでも、将来、食器を焼く仕事に就くわけではありません」と言っていました。
「あら、そうなのね!」と思いました。
「働くとはどんなことか」を体験し、「工程を理解してやり遂げる力」を付けることを目標としているとのことです。
「どの高校を選んでも、結局あまり違いはないです」
「自分で選ばせてあげてください。高校生活で行き詰った時に『自分で選んだ道なんだ』という自覚が、大きな力になります」とも言っていました。

頭のかたい母には、特別支援教育の考え方の、一つ一つが勉強です。

自分の意見がはっきり表現できないコウは、
親や先生が「こうしたら?」と言ったらその通りにする傾向なので、
高校選びも、決断は私にかかっているんだろうというプレッシャーがありました。

家ではコウは、思春期のせいなのか、気が散ること(スマホゲームをやりたい)が多いためか、
高校に関する話題に、全くノッて来ません。

困ったなぁと思っていたら、中学校の特別支援学級では、教育相談に行った高校について、振り返りシートに記載させる時間を取ってくれていました。
「通学の公共交通」「学校の特徴のメリット・デメリット」「自分のやりたいこと」などを個別に話し合いながら引き出し、整理して書かせてくれているのです。
これには、私はすっかり安心し、感謝でいっぱいになりました。

「どの高校を選んでも、結局あまり違いはない」ので、私は、特に仕向けることなく、コウが最終的に選んだことを支持しようと思っています。

ABOUT ME
ホタル
発達障害児【特別な支援を要する男の子】のママ。フルタイム勤務のシングルマザーです。