コウが保育園の時、運動会で、まるで活躍できなくて、
障害物競争では、先生が揺らす縄での大縄跳びを、
他の園児は軽々と超えて走って行くのに、
コウの番では、先生が縄を低く地面に這わせるようにして、
ほんの少し飛び超せばいいようにしていました。
ダンスは、コウの立ち位置が練習の時から定まらないことが、
無言のうちにわかっている女の子が、
コウの手を引いて、ポジションに連れて行ってくれていました。
全員参加リレーは、タラッタラと歩いているのか走っているのかわからないペースのコウ。
コウのいるチームは、負けるに決まっていました。
0歳児からいる保育園で、年齢ごとのクラスメイトは24人。
保育園の狭い園庭では、一人ひとりの園児が、それなりに目立ちます。
司会の先生がマイクで、走る園児の名前を言ってくれたりもします。
小学校の運動会では、普通学級にいたコウに、
担任の先生が黒子のように付いてくれていました。
それでも、広いグランドの中、タラッタラしたコウのダンスも、
歩いているのか走っているのかわからないペースの徒競走も、
学年100人もいると、遠くにほどよく薄まって、
誰が誰だか、それぞれの動きは、全く目立ちません。
もちろん、リレーになんて出場しません。
運動会観戦が、ようやく安寧な場になりました(笑)。
7歳下の従弟が、コウの卒園した保育園に通っていて、
毎年一族で運動会に応援に行っていました。
コウが小学校高学年になってからのことですが、
【保育園の運動会】というものを眺めながら、
涙がにじんで視界不良になりました。
「息子のできなさ」を見守ることが、
自分にとってつらいことだったんだなぁと7年後にわかりました。
その時は、ただただ夢中で、自分の心の痛みは、感じていませんでした。
中学校では、観戦すべき運動会がありません!
子育ては少しずつ確実に楽になっていると思います。